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米国F-1の「D/S廃止」は差し止め中 – MBA留学とOPTの計画をどう考えるか

米国F-1の「D/S廃止」は差し止め中──MBA留学とOPTの計画をどう考えるか

情報確認日:2026年10月8日/確認できた訴訟の更新情報:10月2日

MBA留学の計画は、合格したところで終わりません。入学から卒業、そして卒業後の就職活動まで、米国で学び、働くための制度を理解しておく必要があります。

その意味で、F-1留学生の「Duration of Status(D/S)」を固定期間の在留へ切り替える規則は、重要なニュースです。ただし、現在の状況には大きな訂正が必要です。

9月15日に発効予定だったD/S廃止規則は、9月14日の連邦裁判所の命令で発効が延期され、全米で実施が止められています。「9月15日から最長4年制へ移行済み」と説明するのは正確ではありません。nafsa.org

本稿では、発表された規則と現在の適用状況を分けたうえで、日本人MBA志望者が出願前に確認すべき点を整理します。

規則は最終化された。しかし、実施は止まっている

DHSは7月17日、D/Sを固定期間の入国許可へ置き換える最終規則をFederal Registerに掲載しました。予定されていた発効日は9月15日です。federalregister.gov

ところが、マサチューセッツ地区連邦地方裁判所は、その前日に発効を延期する命令を出しました。これは規則を最終的に無効とした判決ではなく、訴訟が続く間の暫定的な措置です。nafsa.org

政府は9月30日に控訴しましたが、NAFSAの10月2日更新情報は、控訴によって規則が発効するわけではなく、D/Sの枠組みが全米で継続していると明記しています。storage.courtlistener.com

日付確認できた出来事
2026年7月17日DHSの最終規則が公表された
9月14日裁判所が全米を対象に発効を延期した
9月15日当初の発効予定日。規則は予定どおり実施されなかった
9月30日政府が控訴した
10月2日NAFSAが、差し止めの継続と控訴後の手続き状況を説明した

したがって、現時点の留学計画は、確認できる現行制度を基礎に置き、今後の裁判・行政対応に応じて更新する必要があります。2027年の渡米時に適用される制度を、今から確定したものとして扱うことはできません。

D/Sは「何もしなくても無期限に滞在できる制度」ではない

D/Sは、特定の終了日を一律に入国記録へ記載する代わりに、認められた学業や実習などを行い、F-1の条件を維持する間の滞在を認める枠組みです。「学生でさえあれば、いつまでも自由に滞在できる」という意味ではありません。NAFSA

また、ビザの有効期限と、米国内で認められる滞在期間は別です。米国務省の説明も、この違いを明確にしています。travel.state.gov

留学の管理では、次の書類の役割を分けて理解しておくと整理しやすくなります。

  • ビザ:渡航して入国審査を受けるためのもの。入国や滞在期間そのものを保証するものではありません。
  • I-94:入国時などに認められた資格と滞在期間を確認する記録。D/Sまたは日付の表示を確認します。
  • I-20:学校が発行する、学業・プログラム期間などに関する書類です。
  • EAD:OPTなどの就労許可を確認するカードです。travel.state.gov

合格通知、ビザ、就労許可は、それぞれ別の判断・手続きに関わります。MBAへの合格が、卒業後の米国就職まで保証するわけではありません。

固定期間制が実施された場合、何が変わるのか

差し止め中の最終規則は、F-1学生について、原則としてプログラム終了日を基準に、最長4年の期間を設定する設計です。認められた期間を超えて滞在する場合には、在留延長(Extension of Stay:EOS)などの手続きが必要になる仕組みが示されています。

ここで注意したいのは、「最長4年」は、全員に最初から4年間の滞在を認めるという意味ではないことです。2年制の課程であれば、その課程の終了日が基準になります。また、延長の仕組みがあるため、米国での生涯の総滞在期間を4年に制限する制度でもありません。federalregister.gov

規則はOPT・STEM OPTの申請と在留延長の関係にも変更を加える内容ですが、経過措置を含む細則があります。これらを、現在すべての留学生に適用される手続きとして案内することはできません。federalregister.gov

ご提示のUSC国際オフィスのFAQには、9月15日の発効を前提とした説明が残っています。規則の内容を読む参考にはなりますが、現在の適用状況は裁判所の命令や、その後の更新情報と併せて確認する必要があります。USC OIS

「2年MBA+OPT」も、年数の足し算だけでは判断できない

現行制度の説明では、OPT(Optional Practical Training)は専攻に関連する実務経験のための就労制度で、原則として学位レベルごとに最長12カ月です。条件を満たすSTEM分野の学位については、さらに24カ月の延長を申請できる仕組みがあります。Vanderbilt University

ただし、すべてのMBAがSTEM OPTの対象になるわけではありません。プログラムの対象分野やI-20上のCIPコード、雇用主などの条件を確認する必要があります。Vanderbilt University

2年のMBAに、卒業後のOPT、さらにSTEM OPTを組み合わせるなら、構想上の期間は約5年になることがあります。しかし、期間を足すことと、その全期間の在留・就労が認められることは同じではありません。

仮に固定期間制が実施されても、「2年MBA+1年OPTは4年以内だから、追加手続きは不要」とは判断できません。課程終了時の滞在許可と、その後の実習に必要な許可を個別に確認する必要があります。federalregister.gov

出願前に、国際オフィスへ確認したいこと

2027年以降の米国MBAを検討する方は、候補校ごとに、次の点を確認してください。

  1. 制度の現状:D/S規則について、大学が最後に更新した案内はいつか。裁判による実施停止を反映しているか。
  2. 課程と実習の条件:志望するMBAのI-20上の課程期間、STEM OPT対象の有無、卒業後の申請手順はどうなっているか。
  3. 変更への対応:渡米前や在学中に制度が変わった場合、大学はどの窓口・方法で案内するか。

そのうえで、卒業後の米国就職を目指す計画と、就職や許可取得が想定どおり進まない場合の計画を、資金面も含めて用意します。これは今回の規則に限らず、海外MBAの意思決定に必要な準備です。

今、求められるのは「D/Sが廃止されたから米国MBAを諦める」という判断でも、「差し止められたから今後も変わらない」という判断でもありません。

現行制度で計画を立て、変更があれば修正できる余地を持つこと。 合格後の時間設計まで考えることで、MBA留学は、より実行可能なキャリア計画になります。

本稿は制度の一般的な整理です。個別の申請、就労開始、出入国の判断は、所属校のDSO(留学生担当者)や必要に応じて移民法専門家に確認してください。記事公開前にも、差し止め・控訴の最新状況を再確認する必要があります。

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