MBAの「AI教育」、何を見ればいい?Maryland Smithのカリキュラムを読む
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情報確認日:2026年10月18日(日本時間)
「MBAでAIを学びたい。でも、学校案内のどこを見れば、学びの中身が分かるのだろう」
AIを掲げるMBAは増えています。しかし、「AI」という言葉の大きさだけでは、授業で何をつくり、どんな経験を積めるのかは見えてきません。ここでは、メリーランド大学Robert H. Smith School of BusinessのFull-Time MBAを例に、公式ページの何を、どの順で読むとよいかを整理します。特に、MBA AI教育に焦点を当てたプログラムの内容を知ることが重要です。
特定の学校を勧める記事ではありません。日本から出願を考える人が、学校選びで確認する観点をつくるための材料です。
公式カリキュラムから読み取れること
Smithの公式カリキュラムページによると、Full-Time MBAは48単位です。内訳は、基礎となるコア科目30単位と、Execution Labs、選択科目、その他の実践的な学習経験で構成される18単位です。18単位の中で、ラボと選択科目それぞれが何単位かは、このページでは確認できませんでした。(出典:Smith公式カリキュラム)
コア科目の一覧には「Foundations of AI」と「Machine Learning Methods」が含まれています。AIの基礎を、コア科目の枠組みで学ぶ設計です。ただし、科目名と単位数だけでは、授業の難易度や、修了時にどこまでの力が身につくかまでは分かりません。
もう一つの柱がExecution Labsです。公式ページは、5つのラボで実際のクライアントと向き合い、試作品、キャンペーン、戦略分析、コンサルティング形式のレポートなどの成果物をつくると説明しています。AIとデータ分析は、そのラボの作業環境の一部とされています。
ここで押さえたいのは、「AIを学ぶ」場所が科目だけではないという点です。基礎科目で知識を得る場と、実務に近い課題で使う場が、分けて用意されています。比較するときも、科目名の一覧と、成果物を伴う実践の機会を別々に見るとよいでしょう。
1年制の対象条件を、先に確認する
Smithの公式プログラム案内には、短期間で修了する1年制のコースと、インターンシップの選択肢がある2年制のコースが示されています。入試案内には、2027年夏開始の1年制と、2027年秋開始の2年制が掲載されています。(出典:Smith公式プログラム案内、Smith公式入試案内)
仕事を離れる期間を短くしたい人には、1年制が魅力的に見えるでしょう。ただ、公式ページの1年制の説明には、すでに米国にいて、ビザのスポンサーシップを必要としない志願者が対象と読める記載があります。日本から新たに学生ビザを取得して渡米する計画なら、この条件を確認せずに1年制を候補へ入れるのは避けたいところです。
米国にいる場合でも、自分の在留資格で就学できるかどうかは人によって異なります。対象になるかどうかは、学校の入試担当者と、大学の留学生担当部署に確認してください。米国留学のビザをめぐる最近の動きは、米国F-1の「D/S廃止」に関する記事でも整理しています。
期間の比較は、目的と一緒に考える必要があります。短期間で今の専門性を深めたいのか、現地で職種や業界を変えるための経験も積みたいのか。インターンシップの選択肢があるのは2年制のほうです。
説明会で聞きたい3つのこと
ここからは、学校選びへの提案です。「AIに強い学校ですか」という質問を、もう少し具体的にしてみましょう。
1.自分が履修する科目で、何をつくるのか
「私の入学年度とコースでは、AI関連の必修科目は何ですか。課題や最終成果物の例を見せてもらえますか」
同じAI教育でも、ツールを操作する演習、モデルの限界を検証する課題、経営判断への応用では、経験できることが異なります。自分が伸ばしたい力を一つ挙げて聞くと、答えを比較しやすくなります。
2.実企業のプロジェクトで、自分は何を担当するのか
「実際のデータを使えますか。クライアントから評価を受ける機会はありますか。チーム内の担当はどう決まりますか」
AIを使って何かを完成させても、自分が担当した範囲によって、面接や職務経歴で説明できる経験は変わります。課題の設定、分析、検証、提案のどこに責任を持てるのかを確かめておきたいところです。
3.その学びを、希望する仕事につなげられるのか
「私と近い職歴の学生は、どんな職種を目指していますか。インターンシップや採用活動は、いつ始まりますか」
カリキュラムに魅力を感じたら、次は時間割と採用日程を並べて見ます。授業で力をつける時期と、企業にその力を示す時期がどう重なるか。日本への帰国、社費派遣後の復職、現地での転職など、卒業後の計画に合わせて確認することが大切です。費用や学費全体の比べ方は、海外MBAの費用・奨学金・期間をどう比べる?も参考にしてください。
志望校を一校選び、比較のメモをつくる
今週できることは、候補校を一校選び、公式ページから「対象条件」「必修科目と成果物」「実践機会」「就職活動の時期」を書き出すことです。分からない項目は、説明会で聞く質問として残します。
その際、情報を確認した日と、対象の入学年度も添えてください。学校の教育内容は変わります。過去の在校生の経験が、そのまま自分の入学年度に当てはまるとは限りません。出願の締切や費用は、年度やコースごとに異なる場合があるため、本稿では掲載していません。必ず最新の公式入試案内で確認してください。
MBAでAIを学ぶ価値を考えるには、自分がどの課題に取り組み、どんな判断をできるようになりたいかを具体化することが出発点になります。そこから公式の履修内容と対象条件を読むと、学校を選ぶ理由も、出願書類で伝える学習目標も、よりはっきりしてくるはずです。
出典
- Robert H. Smith School of Business「Full-Time MBA Curriculum」
- Robert H. Smith School of Business「Full-Time MBA」
- Robert H. Smith School of Business「Admissions」
いずれも2026年10月18日(日本時間)に確認しました。公式ページに公表日の表示はありません。
著者プロフィール
土佐徳彦(Naruhiko Tosa)
AFFIANCE Learning Studio創業者・代表。2003年の創業以来、海外MBA・海外大学院の受験指導に携わり、Harvard、Stanford、Wharton、MIT Sloan、INSEAD、LBSなど世界のトップMBAへ、700名強を合格に導いてきた。GMAT対策、英語読解、論理思考を専門とし、受験からキャリア設計までを支えている。
指導の傍らでCaetus Technology株式会社を共同創業。同社の製品は2020年度・2021年度と2年連続でグッドデザイン賞を受賞し、高機能ハンドクリーム「Hands Å P.P.」はJAXAの生活用品アイデア募集で選定され、2025年に大西卓哉宇宙飛行士の長期滞在ミッションで国際宇宙ステーションに搭載された。

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